スズメバチにご用心


夏から秋の行楽シーズン、全国どこかで蜂に刺される被害が必ず発生しています。
また、近年は気候条件の変化のせいか、スズメバチの発生が増える傾向にあるようです。

特に毒性が強く攻撃性も高いスズメバチ類にはキャンプやアウトドア活動の際に充分な注意が必要です。
蜂の毒に対する感受性は個人差が大きく、万一アレルギー性を持っていた場合、 アナフィラキシーショックと呼ばれるアレルギー性ショック症状が発生する危険があり、 重症の場合嘔吐,頭痛,めまいなどがみられさらには血圧低下や意識の混濁、まれには死に至ることがあります。
フィールドでの遭遇率の高さと、死亡事故にまでつながる可能性を考えると、例えばクマや毒蛇などよりもはるかに危険な、 見ようによっては日本のフィールドでもっとも危ない動物といえるかもしれません。
むやみに恐れることはありませんが、スズメバチの生態を理解して対応することが必要です。

スズメの攻撃性は種により大きく異なっています。
オオスズメバチとキイロスズメバチは攻撃性が強く、秋口に集団被害の原因となるのも主にこの2種が多いといわれます。
コガタスズメバチは比較的攻撃性が弱く、巣に振動を与えたり急な動きをしなければかなり近づいても 攻撃されることはありません。
ヒメスズメバチは巣を直接刺激しても刺すことはほとんどありません。
攻撃性の強い方から、オオスズメバチ>キイロスズメバチ>モンスズメバチ>コガタスズメバチ>ヒメスズメバチ の順になります。
しかしいずれも、ひとたび巣を攻撃したりして刺激を加えると一斉に攻撃してくるので注意が必要です。

なお、アシナガバチについては、スズメバチに比べて攻撃性はかなり低く、直接捕まえたり巣をいじらない限りほとんど大丈夫ですが、 毒性成分にスズメバチと共通する部分が多く、アナフィラキシーショックの可能性はありますので体質によっては充分な注意が必要です。

スズメバチはいずれの種も黒色に対して激しく攻撃性を示します。
白色や黄色、銀色などに対しては反応は弱く、ほとんど攻撃しません。
ただし、たとえ白色であっても、いったん攻撃を受けたあとでは安全とは言えません。
1匹のハチに刺され毒液が放出されると、警戒フェロモン物質が空中にまき散らされるため、 これに刺激された多数のハチの攻撃を受けることがあり危険です。
またスズメバチは横向きの動きに反応しやすいので、ハチを手で払ったり服やタオルなどを振り回すのも危険です。
ヘアスプレーや香水などの化粧品、音や振動にも敏感に対応しますから、 場合によっては蚊避けの超音波発信機なども攻撃行動のきっかけとなる場合があります。

スズメバチによる被害の大半は8月〜10月の3ヶ月間に発生し、中でも9月が最も多いとされています。
これは、オオスズメバチの習性として他のスズメバチの巣を集団で攻撃し、幼虫や蛹を餌として持ち帰る攻撃行動の季節でもあり、 それにより他種のスズメバチも巣全体が防衛態勢に入り神経質になっているためといわれます。

不幸にして刺された場合は、万一巣が近くにある場合はたいへん危険なので速やかに巣から遠ざかります。
この場合もできればなるべく低い姿勢で静かに縦方向に離れます。
おおむね10〜50m離れることができれば安全です。

傷口は清潔な水でよく洗い流し、身体に回る毒成分の量を減らすため、 できれば速やかに毒液を口或いは市販の器具(ポイズンリムーバー)を用いて吸い出します。
患部の腫れや痛みには冷湿布をし、虫刺されの薬(抗ヒスタミン剤ステロイド軟膏)を塗ります。
この際、俗信として根強い「アンモニア水で中和する」は、全くの誤りです。

身体各所或いは全身の蕁麻疹、だるさ、息苦しさなどのアレルギー性症状がある時は、迅速に医療機関で手当を受けるべきです。


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